【掲載記事】「なんとなく不調」を抱える女性へ 東洋医学から考えるココロとカラダの整え方|THE PROFESSIONAL WEDDING 2026年春号

美人化コラム

『THE PROFESSIONAL WEDDING』2026年春号の連載「ココロとカラダの保健室×美人化計画」に、記事が掲載されました。

今回お話を伺った謝敷裕美さんと初めてお会いしたのは、東方医学会でした。会の運営の中心として大変お忙しく動いていらっしゃったにもかかわらず、明るくチャーミングで、とても素敵な方でした。その姿が印象的で、思わずこちらから声をかけてしまいました。

その出会いをきっかけに、順天堂大学大学院博士課程で研究を続けながら臨床に立つ鍼灸師・謝敷さんに、東洋医学の視点も交えた女性の「なんとなく不調」との向き合い方や、今日からできるココロとカラダの整え方について伺いました。

いくつもの症状が重なる「なんとなく不調」

――若い女性の不調には、どのような特徴がありますか?

臨床でお話を伺っていると、一つの症状だけではなく、いくつかの症状が重なっている方が多いと感じます。

例えば、PMSや月経痛、むくみや冷え、胃腸の不調、頭痛、寝つきの悪さ、気分の落ち込みやイライラなどです。

どれも重い病名がつくほどではないけれど、「ずっとつらい」「なんとなく調子が悪い」状態が続いているという方が多い印象です。

特に、仕事への責任感が強く、周囲を優先しがちな方ほど、自分の不調を後回しにしてしまいがちなように思います。

まずは「感じて、耐えられるか」を見極める

――不調を感じたとき、まず自分でできる整え方や考え方を教えてください。

東洋哲学を用いると、「感じて、耐える」ことが大切なように思います。

不調を感じることは、決して悪いことではありません。むしろ、何も感じなくなってしまう、麻痺してしまうほうが問題です。

今の症状は「寝たら耐えられそう」なのか、「寝ても耐えられない」ほどなのか。そこを見極めるだけで、取るべき行動は変わってきます。

耐えられそうなら、まずは睡眠・食事・リフレッシュ。この三つを大切にしてみてください。

それでも耐えられないと感じたら、薬に助けてもらうことも立派な選択です。自分のカラダの声をきちんと聴くという、とても大事な作業だと思います。

「自分で選ぶ」ことがココロの安定につながる

もう一つ大切なのが、「自分で選ぶ」ということです。

薬を飲む・飲まずに耐える、休む・休まず頑張る。どちらが正しいかではなく、「私は今、これを選ぶ」と自分で決めることが、ココロの安定につながっていきます。

さらにお伝えしたいのは、イライラしたり、嫌な気持ちになったりする自分を否定しなくてよいということです。

仕事では、お客さまのことを第一に考え、笑顔で現場に立つことは大切でしょう。でも、嫌な人や理不尽な出来事に出会ったとき、心の中で「正直、嫌いだな」と感じること自体は、決して悪いことではありません。

その気持ちを外にぶつける必要もありません。

「自分はこう感じた」と、自分自身が一番の理解者として素直な感情を認識し、仕事での対応と意識的に分けてあげる。それだけで、ココロとカラダの緊張は少し緩みます。

感情もカラダの反応の一つです。まずはカラダを整えて、ココロの変動を穏やかにすること。そして、自分の素直な感情と社会的な役割を分けて認識することが、結果的にストレスをため込まないことにつながっていきます。

会社員としての経験から鍼灸と公衆衛生の道へ

――謝敷さんは、鍼灸師でありながら公衆衛生学を研究されています。なぜその道に進まれたのでしょうか?

私は大学で国際政治を学び、卒業後は国際協力の金融機関で働いていました。当時は自分のカラダに向き合うことなく、仕事が楽しくて走り続けていました。

けれど、無意識の緊張が重なる中で、胃腸の不調、頭痛、耳鳴り、PMSなどが少しずつ重なり、思うように動けなくなった時期があったのです。

病院に行っても症状ごとに別々の薬を処方され、あまり改善しないカラダに、少し違和感を覚えました。

そのようなときに出会ったのが東洋医学でした。カラダを部分ではなく「全体」で捉える考え方に強く惹かれ、学べば学ぶほど面白くなり、東洋医学と西洋医学の両方が学べる鍼灸の道に進みました。

さらに、鍼灸を医療として広く活用するために統計や研究手法を学びたいと、公衆衛生学の分野に進みました。

会社員としての経験があるからこそ、働く女性が不調を抱えながらも頑張っている現実を、自分のことのように感じています。

東洋医学の視点を通して、女性がお仕事も含めて自分の人生を頑張りながらも、味わい、楽しく働き続けられる選択肢を増やしていきたいと考えています。

おとな美人化計画からの補足

今回の紙面では若い女性の不調を中心に取り上げていますが、自分のカラダの状態を感じ取り、自分に必要な休息やケアを自分で選ぶことは、すべての世代にとって大切です。

「年齢のせい」「忙しいから仕方がない」と不調を後回しにせず、まずは自分の声を自分が聴くこと。そして、休む、生活を整える、医療機関に相談するなど、そのときの自分に必要な方法を選んでいきたいですね。

つらい症状や長く続く不調がある場合は、無理に耐えず、症状に応じた医療機関へ相談してください。

お話を伺った方

謝敷裕美さん
鍼灸師/順天堂大学大学院 医学研究科 公衆衛生学講座 博士課程

聖心女子大学卒業後、国際協力銀行を経て鍼灸師の資格を取得。エビデンスに基づいた鍼灸と医療との連携を見据えて、順天堂大学大学院医学研究科公衆衛生学講座博士課程に在籍。医療と鍼灸の連携、働く女性のQOL向上に関する研究などを行っています。

掲載情報

『THE PROFESSIONAL WEDDING』2026年春号
「ココロとカラダの保健室×美人化計画」